大腸がんは、食事の西洋化にともなって本邦でも増えてきています。 特に女性の癌では、がんによる死因の一位、男性でも第三位にランクされ、早期発見・治療の重要性が増してきています。 これだけ死因に関係する大腸がんですが、早期発見により、むしろ根治率の高い癌ですので、怖がらないで検査を受けることが大切です。 早期発見で治癒率の高い癌こそ、身近で手軽に定期的検査が望まれ、50歳以上の方は誰でも、毎年の便潜血検査に加え、3~5年に1回は内視鏡検査をうけることが推奨されます。
検便検査(便潜血検査)での検出率は、早期がんでは50%以下、ポリープでは30%以下というデータもあります。
当院では、経験豊富な専門医が行う、身近で安全で楽な大腸内視鏡検査を提供しています。
当院の内視鏡は細径で柔らかい内視鏡を用いることにより、挿入痛を減らすよう意図しております。 さらに、最近では、特殊光を用いた血管の微細構造を確認できえるNBI/BLIというレーザーおよび拡大観察方法で、腫瘍や粘膜の質的診断の可能な最新の内視鏡システムを導入して、無駄な生検頻度を減らしつつ診断率の向上を目指しております。
内視鏡検査は、ポリープや癌の診断以外にも、出血原因検索、各種腸炎、憩室炎、潰瘍性大腸炎やクローン病などの診断にも有用です。 また、腫瘍やポリープが見つかった場合、一定の大きさ以内であれば内視鏡的切除が可能です。
当院では、ポリープ切除のための日帰り手術(内視鏡的粘膜切除術)も実施しております。
大腸内視鏡検査のご予約は、検査前日の投薬や腸洗浄剤の内服が必要なため、検査前には来院が必要です。
費用は、大腸カメラ検査のみでは、5,300~6,000円(保険診療3割負担、検査費用のみ、処方や診察費用は別途)必要です。
ポリープ切除をする場合は, 事前検査や承諾書が必要ですが、20,000 ~ 25,000円程度の費用(3割負担、施術費用のみ)が
かかります。
大腸カメラ(大腸内視鏡検査)
増えている大腸がん
日本人の死亡原因で最も多いがんは、定期的に検査を受け早期発見を目指すことが必要です。がん死亡数の中で大腸がんは女性1位、男性3位にあり、特に注意が必要です。症状が出てからでは進行していることが多いので、自覚症状がなくとも、定期的な大腸カメラ検査が望まれます。
大腸がんの検査は 便潜血のみでは、不十分
検便(便潜血反応)は、スクリーニングとしての集団検診では効果は認められていますが、個人レベルでの確実な診断においては不十分なものです。3~5年に1度は大腸カメラを受けることが推奨されます。
ポリープ切除
ポリープが見つかった場合、まずはがんのリスクがどの程度あるかを判断する必要があります。すべてのポリープが悪性化するわけではありませんが、ポリープが大きくなる過程でがんに変わるものがあります。 大腸がんは、初期に良性線腫からがんに変わる過程を経るものと、最初からがんで出るもの(de novoがん)に分けられます。小さな段階で切除すれば完全にがんのリスクを取り除けるわけではありませんが、半数以上の初期がんは切除できると考えられます。当院では一定の基準の下、外来で切除できる範囲のポリープをEMR(内視鏡的粘膜切除術)にて切除可能です。 がんの粘膜下浸潤が疑われるもの、一定の大きさ以上のものは外科的切除の可能性もあり基幹病院に紹介します。
当院でのポリープ切除例
当院でのBLIを用いた拡大観察観察例
特殊レーザー光観察(BLI/NBI)および拡大観察
富士フィルム社LASEREOシステム BLI (Blue LASER Imaging)
短波長狭帯域光観察BLIは、表層血管観察に適した短波長レーザー光を照射して得られる高コントラストな信号に画像処理を行うことによって、血管や表面構造の観察に適した画像を表示するものです。
当院でのポリープ等の内視鏡観察には①通常光観察 ②色素散布観察(インジゴカルミン) ③特殊光観察(NBI/BLI)による観察を行い、診断の精度を高めています。
BLIは、世界初のレーザー光2波長の組み合わせによる観察で、近接拡大観察を組み合わせて、ポリープの表面微細構造や血管の模様を鮮明に観察できます。 特殊光観察では、pit pattern分類を土台にしたNBI/BLIの分類を用いて、ポリープ切除前に内視鏡観察的にポリープの質的診断(病理予想)をするものです。 代表的に知られているものとして、広島分類においては腫瘍の血管模様(vascularpattern)および表面構造(surface pattern)を観察し TypeA(過形成),B(腺腫),C(癌)の 3分類を行い、またNBI国際分類(NICE)では、色調(color)を加えたType1(過形成),2(腺腫),3(癌)に分類するものです。
それにより、浸潤癌が予想されるような場合は、内視鏡的切除適応・外科切除適応などを事前に判断しやすくなっています。